今はどうしようもないことを知っていたのかもしれない。 兄はその頃よく帰りが9時10時で帰る時は、私は酔ったまま風呂に入り寝ていた。兄も私に特に何もいわなかった。妹が死んで3 店内は薄暗い、下品なやたら大きな音楽、キラキラ光るミラーボールが在った。席に案内されると私は全身が冷たくなって酔いが 「馬鹿な!」妹だ。股下擦れ擦れのスリップ姿の女。「おい、なんでお前こんな所でホステスで働いているんだ」と腕を捕まえ外に 『妹は死んでるんだ』その現実の記憶に、我に帰った私は「済まない、あまりに妹に似ていたもんだから」「やあね」とその女は 私は飲み始めた。「触ないの」女は言った。「いや、酌をしてくれ」あいも変わらず早いペースで麦酒を飲む。「何て事だ、なあ、 ところで女に、初め妹の事を聞かれたが、「よそう」と言って答えなかった。そして下らない冗談話で暫くたった時、突然、「俺と 女は余りの事に飲みかけの麦酒を吹き出して笑いながら「馬鹿ね、本気それとも空かっつての、それとも妹に似てるから?」「本 私は席を立ち、金を払って行こうとして、女を見ると、女は立ちんで私を見ていた。私は爽やかに、にっこり白い歯を見せて笑った。 女はグラスを手にじっと、まだ私を見ていた。私は振り切るように直ぐ店を出た。「神様の巡り合わせだ、俺はあの女に妹の罪滅 妹の形見の髪を左の胸のポケットから取り出して「お前の生まれ変わりに会ったよ」と優しく語り掛けた。 私は在る決心をした。そして近所の赤電話から電話を掛けた。「もしもし姉さん今晩、遅くなる帰らないかもしれない」「え……お |
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