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前書き

私は子供の時より不思議な体験を多くしてきた。真っ昼間、美しい青年の幽霊を見たり近親の死を感じたりした。母もその傾向があり

、私に不思議な体験を話してくれた。祖先は信心深かったせいか、よく読経していたようだ。

 その影響なのか、不思議な体験を多くしたせいなのか、私は、よく読経をする毎日を送っていたことがある。そんな春のある日、桜

の花の下で男女共に誠に美しい恋人達に会った。私は「貴方達は恋人同志ですか?」と聞くと「私達は桜の精で永遠の恋人だ」

と言って消えた。誠に不思議な事もあるものだと思ったが、私は春の陽気に誘われて、ついうとうとと桜の花の下で眠ってしまった。

すると、夢の中で先程の恋人が日本の美しい中世の貴族の姿で現れ。遠い昔の滅びた世界に住んでいた自分達の恋物語を幻のように私

に語った。その物語を書いたのがこの本です。

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