釈迦が宮殿も地位も名誉も類いなき美しい女性達の輝く肉体や愛を、この希臘人の様な青白い顔をした貴公子が捨てて、白馬にまたがり「我は行かん!人の苦悩を救済するため自ら悩める物と成らん」と言って大なる放棄をした時、彼は世俗の幸福を願う物としては死んだのかもしれない。しかし彼の浪漫的騎士の生涯はその時から始まったのかもしれない。
 また基督が十字架を背負った時、アッシジの聖フランチェスコが貧しさの中に生きた時彼等は世俗の幸福を追及する物としては完全に死んだと同じです、しかし、この時から、か弱き愛に生きる浪漫的騎士に成ったのです。
 だがギャングの様なローマ帝国は、仏教寺院を次々に焼いた織田信長の軍隊は、千利休を切腹させた豊臣家の権力は、儒教の書を燃やした秦の大帝国は、千年王国を歌った、あの気違いが作った第3帝国はどこに有るのでしょうか?またナチスが作った撲滅強制収容所でさえもコルベ神父一人の愛の志を変えはしませんでした。
 そして結局残ったのはこの世で一番弱く最も奇形で異常で馬鹿馬鹿しく金儲けの手段に決して成らない何の役に立たない愛と言う力では無いでしょうか。
 皆さんはもう信じるでしょう。国々の誉れNew York Cityの自由、平等 博愛の象徴の女神像は倒れ、都は神の門の廃墟の様に成って、その過酷な運命を嘆き夜空を仰いでも。
 夜空に占星術で未来を占える星の瞬きが氷の様に人々に冷たくとも、小さな浪漫的騎士の心は歴史と言う夜空に星の様に、月の様に、太陽の様に輝く事を、皆さんが東から生み出された、愛の言葉光を支えとする事を。
神の御栄え光、愛、は東方より来ました。わたくし達の芸術、病を直す高貴薬として使われた茶や香が病んだ精神に薬になった様にこの神の御栄えも茶や香に似ています、だが茶、その神秘的な緑が人の心に緑の憧れを取り戻し、緑の憧れを取り戻した人々が努力し緑が地を覆い砂漠さえ緑にする様にとの願いを込めた薬、茶、しかし聖杯に満る程に溢れる愛の飲み物であるそれ光に勝ります。
 香りや花は世界を覆う、天才の業績を残しながら気付くともう世に居ない様に、これを象徴する香は燃え尽き灰に、花は散り世に居ないような世俗に執着しない高貴さと同じ様な、霊剣エクキャリバーにも匹敵する不思議な力と勇気を光は与えます。
 この芸術は忘れ去られるでしょう。しかしこの芸術の本当の願い浪漫的騎士道の願いに皆さんはきっと感謝し平和の象徴、鳩が廃墟の天空に飛ぶ、それを仰ぎ見る様に、この 芸術の本当の願い、それを仰ぎ見るでしょう。

 皆さん一人一人が困難に打ち勝ち美しき騎士の心、神の御栄え、神の栄光に満ちた心で紺碧の空を見上げる美しき瞳の中に。

199■年6月1日〜199■年9月10日 完成所要時間 3ケ月と10日

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