昔、兄と車で旅に出て或る湖の辺で深い物思いに沈んでいると詩が閃きました。私は詩は考えて出来ないタイプなのでその時の事をよく覚えています。すぐペン(私は必ず心臓の所のポッケにペンを持っています。)手帳に書いたのがこの詩、しのぶれど 色に出にけり わが恋は ものや思うと 人の問ふまで と同じ詩趣、そして葵上、道成寺、井筒、上田秋成の浅茅が宿のような激しい情念がこの詩では愛する人を滅ぼす。そんな詩に仕上げました。 今の女性は明るいくあっけらかんと告白して片思いなんて無いと思ちゃいます。そしてもう自身は夢見る頃は過ぎてしまいました。(若くない)だから全く油断しちゃやってたとへラブレター出したってなにも起こりゃしないし蹴りを入れられるだけですけど若い素敵な男性とか危険な香りのする男、誘惑されやすい男は要注意 ファム・ファタール(運命の女)て言葉知っていますか?時に女性の情念は美しく強く愛する人さえ滅ぼしてしまう物だと思っていますがいにしえの話で現代では考えすぎかもしれませんが。
下の表紙をクリックすると自作の小説が読めます。2004年4月1日
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すゐえんのあまつをとめがころもでのひまにもすめるあきのそらかな
薬師寺遠望 写真 入江泰吉
この肉体の源をたどると湖の底の瑩(えい※美石)の精霊だった。騎士の祖先は白鳥だった。
昔、瑩(えい)は、空を駆け巡る鳥に憧れた。
潜む湖底の恋を、翼は見抜き空の彼方へ持って行き結ばれた。
密かな恋は精霊の末裔まで名残、白鳥の血筋、騎士のようなあなたに引かれる
苦しい片思いは、この様な理由がある。
わざと視線を反らす、余所余所しくする。綺麗に振舞いたい、
決して、決して、打ち明けない事で胸に宿る、面差しはますます開花する、ますます。
疼く辛さに耐え切れず手の平の白金の箱に痛みをそっと打ち明け封ずる。
箱を沈め自らも水面に身を投げ、身体も魂も金と銀の光る漣になる。
何時、結ばれる恋、何時、成就する恋。
或る時、嘆きを詰めた箱が爆発し溢れる光があなたを焼き尽くし、
灰が、金と銀の砂になる時、砂が金と銀の漣になって私の波と交わり結婚する時、
悲しい物語は成就する、打ち明けない片思いは結ばれる。永遠に永遠に……