元永本古今集の仮名の読み方の解説  
 上の書は古今和歌集を書いたもの元永本古今集として有名で書家は藤原定実(ふじわらのさだざね)でこのほかにも筋切れ本古今集(本物を見ました)本願寺本三十六人集の内の貫之集の上などの書家です。この筆者はまず連綿と非連綿を上手く使い分けることで単調さを防いでいること女手のかなに連綿と非連綿をつかいなどこの書家の独創であること漢字をよく使用してかなとの調和を良く保っていること ちらし書きが実に70おおきに達していること女手のなかに万葉かな大胆に使用していることなどまぎれもない天才で何故これ程の天才が例えば□□Kの美の□なんかで取り上げないのは不思議ですね。まあいいや以上の理由で私は逆に古今和歌集を活字の文庫本なんかで読む気はしません幾ら変人と言われてもです。
 では私がなんか妙な感じのするこの書をどのように読んだかの仕掛けを説明しましょうまず先頭の文字に注目して下さい (徒つ)と右横に書いてありますがこの徒つローマ字入力でTU音は つ なんです。ニャント昔は かな って音が例えばつだったらその草書体を何種類か使って良かったんです。よこに私か親切心で(利り)とかその音で読めばいいんです。ただし例えば(可か)はのに似ていて実は馴れてしまうとこの (の)小さいやつ自然に(か)て読めるようになります。赤字でつくるぞってかいてあるものは現代の読みと同じですが書家の字が分かりにくいので私が親切心で添えた物です。下に一行づつ古文から入力しました参考にして下さい。
 古文
一行目 つまごめにやへがきつくるそ
二行目  のやへがきを
三行目  かくてそはなをめで (では濁点は省略する決まり) とりを
四行目  うらやみかすみをあは
五行目  れみつゆをかなしふこころ
六行目 はおほくさまざま(さまのよこに〜みたいな線が有ります さま〜でさまざまと読んで下さい)になりにけ
七行目 るとほきところもいてたつあし
口語訳
 妻籠めに八重ね垣根作るその八重垣を(素戔男尊の歌)やがて、花を愛で鳥を羨み、霞みを憐み露を悲しむ心は多くさまざまな(言葉)遠き所もいでたつあし…
元永本古今集〈下1〉 元永本古今集〈下2〉
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