桜の神話３３

次の日は母の一周忌。幸、天気も良く読経も済み、食事の席で叔母は「お母さんが亡くなって、また７月に妹の一周忌で大変ね」

と、私は「妹のは必要ありませんよ、あいつは生きているから」と言った。

　「え！………悪い冗談は止めなさい」と叔母。姉は「お前なに下らないことを言うの」と兄は「こいつは妹の事が特に可愛いかっ

たから、どうしても妹が死んだとは信じたく無いんです」と叔母に言った。叔母は「そうなの可愛いそうに」と言った。無事にその

一周忌は終わった。

　私は病院で準備を始めた。劇薬の全身麻酔薬５０m㍑を盗んで使い終わった同じ麻酔薬の瓶に水を入れ、人が見てない所で叩き割っ

た。管理者に私は「済みません、つんのめって、この通り麻酔薬一瓶、駄目にしてしまいました。新しいのを１本、追加して下さい

」と言った。私は、まんまと麻酔薬１本を誤魔化した。さらにエーテルを消毒に使うからと手に入れ使い捨ての注射器、

注射針を数本、盗んだ。

　これでいい３月２日の用意は出来た。そして３月２日は来た。私は女と夕食を共にして兄から無理に今日と明日の２日間だけ借り

た車で中央高速を中心に夜のドライブを楽しむことにした。

　「夜のドライブも楽しいでしょ」「ええ……どこへ行くの？」「色々、貴方が行きたい所があったら連れてってあげよう」「任せ

るわ」と女、私は「８時か９時に酒でも飲むと良いよ多摩御陵の付近にレストランがある、そこでね俺は運転だから飲めないけど一

緒に軽い食事と酒でも飲もう」と言った。

　ドライブも終わり２人で食事をし、女は少しの酒を飲みまた車で出掛けた。「疲れた、静かな所で休みたい高尾を右に行くと八王子城の

辺りに静かな駐車場がある、そこで休みたい」「いいわ」私は心で決心を自問自答して車を走らせていた。

　寂しい窪地の駐車場で車を止め、私は「疲れた時は、ふざけて遊ぶのが一番」と女に小物入れを開けさせると、玩具の手錠が入っ

ていた。

「俺の手に掛けて御覧」と手錠を私の手に掛けさせた。「今度は貴方の手に掛けよう」と女の手に掛けた。「玩具なのに取れないわ

」　突然、私は隠し持っていた紐を取り出して女の手足を縛った。女は余りのことに「なにをするの？」聞く。「貴方を殺す」「な

ぜ？貴方は、私を好きな筈よ！」「殺したっていいのさ貴方には本当は夫などいない、それに俺の考えが正しければ貴方は人間の理

性では計れない女だ」私は続ける。「それとも今日、本当の真実を言うか？」

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