私は思わず「馬鹿野朗!」と怒鳴った。「俺を馬鹿にするのか俺がそんな事でお前を愛さないとでも思っているのか」と泣いた。「 私は兄と姉に女の失踪を話した。詳しくは女が可哀想なので言わなかったが実は水商売の女であるることを話した「悪い女じゃな 私は次の日から妹の写真を持って夜、色々な盛り場を探したが少しも手掛かりはなかった。しかし、希望を見付けた心は充実して |
「 第3部 」 |
あいも変わらず私は女を探し続けていたが手掛かりも無いまま1月程が過ぎた。私は諦めの気持ちが強くなって嫌な気持ちだった。 そんな時、私は思いも寄らず人事移動を病院から言い渡された。動物実験の仕事だ。私はそこが嫌いであった。汚いし動物を殺さ 新しい職場そこには生と死は隣り合わせにあった。可愛らしさと汚さバラバラの肉と血、消毒薬の臭い。私は少しは思いやりのあ 私は感じ始めていた。この動物の運命と自分の運命を同一視している自分を。母の死、妹の死、女への強姦、女の失踪、職場の変 私は迫り来る力が自分を、どう殺すのかをいつも考えるようになっていた。高圧滅菌に携わる仕事だったので、これがぶっ壊れて そんな在る時、ガス滅菌を行うため解部室に入ると、犬の解剖の真っ最中であった。犬は顔を仰向けに横たわり |
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